
2025年に開催される大阪・関西万博。この世界的イベントは、大阪および関西圏の経済に大きな影響を与えると予想されています。今回、万博が経済にもたらす具体的な効果や、大阪の不動産マーケットに与える影響について解説します。
1. 観光産業の活性化
万博開催期間中、国内外から約2,800万人の来場者を見込んでおり、その内訳は国内からの来場者が約2,400万人、海外からの来場者が約400万人とされています。この大規模な集客により、観光関連産業に多大な経済効果が期待されています。
観光消費額は約2兆円に達すると試算されており、内訳としては、宿泊や飲食に関連する消費が約1.2兆円、交通機関や観光地での消費が約8,000億円とされています。具体的には、大阪市内のホテルや飲食店では既に予約が急増しており、新たな宿泊施設の建設も進行中です。
また、この観光需要の拡大は雇用創出にもつながり、観光業界や関連サービス業における人材需要が大幅に増加することが予測されています。
2. 地域インフラの整備
万博に向けて、大規模なインフラ整備が進行中です。総額約1.5兆円が大阪メトロ中央線の延伸、新道路建設、会場周辺の再開発に投じられ、交通利便性の向上が図られています。また、関西国際空港から万博会場への輸送能力が向上し、観光客のアクセスが大幅に改善されます。
これらの整備は万博期間中だけでなく、地域の長期的な都市価値向上にも寄与し、商業や住宅開発の活発化が期待されています。
環境面でも、再生可能エネルギーやカーボンニュートラル設計を採用した持続可能な都市開発が進められ、未来志向の都市インフラが大阪を支えます。
3. 不動産市場への影響
万博開幕を目前に控え、不動産市場では具体的な影響が現れ始めています。万博会場周辺の夢洲エリアを中心に地価は既に2020年比で25%以上上昇しており、再開発プロジェクトも加速しています。
賃貸市場にも活発な動きが見られ、特に短期滞在を目的としたサービスアパートメントや民泊物件の需要が高まり、宿泊用不動産の収益性が向上しています。
万博後も商業施設やオフィスビルの稼働率が95%以上を維持する見通しで、長期的な都市価値の向上が見込まれることから、大阪の不動産市場は投資家にとって引き続き魅力的な市場となるでしょう。

IR 開業と大阪の長期的な都市価値向上
大阪・関西万博終了後も、大阪はそのインフラ整備や国際的注目度の高さを活かし、都市価値を維持・向上させることが求められます。万博とIR(統合型リゾート)の開業が連動することで、地域経済に強力な相乗効果を生み出しています。IRは年間約1兆円の経済効果をもたらし、約2,000万人の観光客増加が見込まれています。これにより、ホテルや商業施設の需要が急増し、大阪全体の不動産市場が活性化しています。
さらに、IRおよび万博関連の再開発プロジェクトは、夢洲エリアを中心に都市基盤を大幅に強化しています。これに伴い、大阪全体の地価上昇が加速し、商業施設や宿泊施設の収益性が向上しています。特に海外投資家の注目が高まり、商業用地や観光関連施設への投資が拡大しています。
これらのプロジェクトは、イベント終了後も大阪の都市価値を高め続けると期待され、万博とIRの相乗効果により、大阪は国際的な観光都市としての地位を確立し、長期的な経済成長を支える基盤となるでしょう。
参考URL
https://www.apir.or.jp/research/post15592/